小説『可燃物』の感想

米澤穂信さんの小説『可燃物』は、群馬県警の刑事・葛城篤が、連続放火事件の捜査にあたっていく物語です。葛城は、言葉数は少ないながらも、鋭い観察眼と推理力で事件の真相に迫っていく主人公です。

連続放火事件は、いずれも夜中に住宅や車が燃え上がり、人命被害はありませんでした。しかし、犯人は犯行現場に、必ず「可燃物」を残していくという特徴がありました。葛城は、可燃物に隠されたメッセージに着目し、犯人の正体を突き止めていきます。

本作の魅力は、まず、葛城篤という主人公にあります。葛城は、寡黙で無愛想な刑事ですが、その裏には、優れた観察眼と推理力を持っています。また、葛城は、犯人の心理を深く理解しようとする姿勢も持ち合わせています。この姿勢が、犯人の正体を突き止めていく上で、大きな役割を果たします。

また、本作の魅力は、連続放火事件の謎にあります。犯人は、なぜ住宅や車に放火したのでしょうか?犯人は、何を訴えたかったのでしょうか?葛城は、これらの謎を解き明かしていく中で、犯人の心の闇に触れていきます。

本作は、ミステリー小説でありながらも、人間の心の闇を描いた作品でもあると言えます。葛城篤という主人公の成長と、犯人の心の闇の解明が、本作の見どころです。

私は、本作を読んで、ミステリー小説の面白さを再認識しました。また、人間の心の闇についても考えさせられました。本作は、ミステリーファンだけでなく、多くの人に読んでいただきたい作品です。

米澤穂信さんの『可燃物』は、群馬県警捜査一課の葛城礼一警部が、5つの事件に立ち向かう連作ミステリーです。

1つ目の事件は、群馬県内各地で発生している連続放火事件です。放火現場には、必ず一輪の白い花が残されています。葛城警部は、花にヒントを得て、犯人を特定します。

2つ目の事件は、ある女性の殺人事件です。女性は、自宅で首を絞められて殺害されていました。葛城警部は、女性の夫に疑いの目を向けますが、夫は犯行を否認します。葛城警部は、夫のアリバイを崩し、犯人を突き止めます。

3つ目の事件は、ある男性の失踪事件です。男性は、仕事から帰宅せず、行方不明になりました。葛城警部は、男性の妻に事情を聞きますが、妻は何も知りません。葛城警部は、男性の友人に聞き込みをするうちに、事件の真相に近づきます。

4つ目の事件は、ある少年の誘拐事件です。少年は、学校から帰宅途中に誘拐されました。葛城警部は、少年の両親に事情を聞きますが、両親は何も知りません。葛城警部は、少年の友人に聞き込みをするうちに、犯人の手がかりをつかみます。

5つ目の事件は、ある老人の殺人事件です。老人は、自宅で刺殺されていました。葛城警部は、老人の娘に事情を聞きますが、娘は犯行を否認します。葛城警部は、娘のアリバイを崩し、犯人を突き止めます。

これらの事件は、すべて葛城警部の鋭い洞察力と推理力によって解決されます。葛城警部は、事件の細部に目を配り、犯人の心理を読み解くことで、犯人を突き止めます。

『可燃物』は、ミステリーとして非常に面白く、読み応えのある作品です。事件の謎解きが非常に巧妙で、読者は最後まで予想がつきません。また、登場人物のキャラクターも魅力的で、葛城警部の冷静な推理と、犯人の狂気的な思考が対比され、より一層物語に引き込まれます。

ミステリーが好きな方はもちろん、そうでない方にもぜひ読んでいただきたい作品です。