小説「777 トリプルセブン」の感想

伊坂幸太郎の小説「777 トリプルセブン」は、2002年に刊行された「マリアビートル」の続編にあたる作品です。前作では、新幹線の中での殺し屋同士の戦いが描かれていましたが、本作では、超高級ホテルの一室を舞台に、殺し屋、ヤクザ、裏社会の工作員など、さまざまな人々が入り乱れる壮絶なバトルが繰り広げられます。

物語の主人公は、前作に引き続き、やることなすことツキに見放された殺し屋・七尾。彼は、ある日、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという仕事を引き受けます。しかし、そのプレゼントの中には、驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花の記憶が封印されていたのです。

結花の記憶を狙って、さまざまな人々がホテルに集まってきます。七尾は、彼女を守るために、次々と襲いかかってくる殺し屋たちと戦うことになるのでした。

本作の魅力は、なんといっても、そのスピード感とテンポの良さです。伊坂幸太郎の作品には、いつもながら、テンポの良い会話やユーモアが溢れています。また、本作では、殺し屋やヤクザなどの裏社会の人物たちが、コミカルなやり取りを繰り広げることで、物語にさらなる面白さを加えています。

また、本作では、登場人物たちの個性も際立っています。七尾は、いつも不運に見舞われる、どこか憎めないキャラクターです。また、結花は、驚異的な記憶力を持つ、謎めいた女性です。さらに、七尾の前に立ちはだかる殺し屋たちも、それぞれに個性的なキャラクターであり、彼らの戦闘シーンは、手に汗握る展開を見せてくれます。

ストーリーの展開も、最後まで飽きさせません。七尾は、結花を守るために、次々と襲いかかってくる殺し屋たちと戦い抜きます。その過程で、七尾は、自分の過去や、結花の秘密を知ることとなります。

そして、物語のクライマックスでは、七尾と結花の運命が、大きく動き出すことになります。

全体的に、本作は、伊坂幸太郎のエンターテイメント性が存分に発揮された、傑作といえる作品です。殺し屋やヤクザなどの裏社会の人物たちが繰り広げる、スピード感あふれるバトルと、個性豊かな登場人物たちの活躍は、読者の心を掴んで離しません。

以下に、本作の具体的な感想をいくつか挙げます。

  • 七尾のキャラクターが、とても魅力的でした。いつも不運に見舞われる彼の姿には、思わず笑ってしまう場面もありました。また、彼の過去や、結花との交流を通して、彼の成長が感じられました。
  • 結花のキャラクターも、とても興味深かったです。驚異的な記憶力を持つ彼女の存在は、物語に大きな謎と魅力を与えていました。また、彼女の過去や、七尾との交流を通して、彼女の本当の姿が見えてきました。
  • 殺し屋たちとの戦闘シーンは、とても迫力がありました。七尾は、次々と襲いかかってくる殺し屋たちを、機転と運を駆使して撃退していきます。その戦闘シーンは、手に汗握る展開を見せてくれました。
  • 物語のクライマックスは、とても感動的でした。七尾と結花の運命が、大きく動き出す展開は、予想外でありながら、とても納得のいくものでした。

総合的に見て、本作は、伊坂幸太郎のエンターテイメント性が存分に発揮された、傑作といえる作品です。殺し屋やヤクザなどの裏社会の人物たちが繰り広げる、スピード感あふれるバトルと、個性豊かな登場人物たちの活躍は、読者の心を掴んで離しません。ぜひ、一度読んでみてはいかがでしょうか。